「棟梁」小川三夫著を読んで

目安時間3分


この本は、雑誌「道(どう)」に掲載された宇城憲治師範(古伝空手)との対談で知りました。

 

小川さんは、宮大工の棟梁であり、何人もの職人の大工をたばね、数多くの建物を作ったばかりでなく、多くの弟子を育てた師匠でもあります。

 

仕事、学ぶこと、教えること、教わることの本質的なことを語っている良書です。

 

もつとも記憶に残る言葉は「言葉にできんことを覚えてもらうには、やってみさせるしかないな」

 

始原東洋医学のようではないですか。

なにしろ書いている(語っている)人が本物ですから。

 

何百年という時の洗礼を経て、なおも朽ちることなく残り続ける物を作る宮大工。

使い捨て、ひたすら新製品をという現在の世の中の流れとは全く異なる、一度建てたら後戻りのできない世界。

 

技、思い、人、伝承していく重み。

 

何百年もびくともしない宮づくりによって、技術だけでなく、想いを残す。

 

「人を育てる」には、「物事を教える」だけでは成り立たず、教わる者自身が「自ら学ぼう」と意識して努力しないと、幾ら周りの者が教えたとしても、その人は育ちません。つまり、それが「技術を盗む」と言われることなのでしょう。

 

耳に痛い言葉です。ただ、漫然と勉強会に参加していても身につかない。

 

自ら学ぶ場である、とう始原東洋医学の理念はまさしく小川さんのお言葉と一致します。

 

小川さんは、王道とも言うべき幾つもの名言を語っています。

本物の人の持つ言葉も重みです。

 

また、教えることの弊害が語られていることにとても共感できました。

 

教えないことによって人の能力を伸ばすことが大切であるとはどういうことでしょうか。

教えることが親切、丁寧に分かりやすく教えることが教育だと考えられていますが、教えすぎないことで、に主体的な気づきがあるのです。

 

教えられ、マニュアルを覚えこまされて育った人は不測の事態には対処できないとも言われます。

しかし、不測の事態とは実際の施術の現場では患者一人一人に臨機応変に対処するということであり、実際にはハプニングでもなんでもなく、極論すればただの日常です。

 

普段の診療になぜ対処しきれないか、私もじつはマニュアル人間だったのかと反省するばかりです。

 

 

不安定の中にこそ安定がある。常に心に置きとどめたい言葉です。

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東洋医療技術研究会

現代表は勝木れい子

鍼灸師(赤門鍼灸専門学校卒)

経絡治療学会の学術部長を経験

のち「気と経絡」の研究に没頭する。

現在は望診法講座「気流診」の講師

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